雪のあと、寒牡丹 (2014年2月5日)
この冬、東京に雪が降る日を密かに待っていた。
雪に映える冬の牡丹。
花びらに氷。
凍りつく花。倒れる花。
雪をかぶっても凛々しく咲いている花。
雪の白に負けない純白の牡丹。
寒さの中ですくすくと咲く牡丹。
屋根の下でも寒い寒い冬。
それでも咲いている。
堂々と咲いている。
なぜこんな寒い冬に咲くの?
ぼたん園には、寒牡丹にちなんだ短歌が書かれた看板が花に添えられている。
「咲くことを恐れぬ白さ寒牡丹」
そうか… 咲くには寒いよね。怖いよね。
この季節にこんな大輪の牡丹を屋外で咲かせるためには、きっと相当な手入れや手間や心配りが必要で、大変なことなのだろうと想像します。
もちろんハイシーズンに咲き誇るぼたん園は素晴らしい。でも、冷たい風に吹かれながら見る寒牡丹からは、冬ならではの佇まいや風格がひたひたと伝わってきます。
手水舎の水が凍っていた朝。
立春は過ぎた。春は名のみの風の寒さや。
でも着実に春はやって来る。
乾いた冷たい風が吹き、青空が眩しい東京の冬。
※ 2014年2月大雪・ぼたん園シリーズ
※ 2013年春シーズンのぼたん園